写真を撮るというマインドフルネス

「撮ルンです」を行っていると、想像以上に心が癒やされたという声をいただきます。それは撮影場所を新宿御苑という公園にしていることもあるでしょうが、以前から写真を撮るという行為は、心を穏やかにしてくれると思っていたので、参加者の声と合わせてその理由をまとめてみようと思います。

まず第二回の「撮ルンです」参加者から頂いた感想をご紹介します。

お世辞とか抜きですごく素敵なイベントというか、時間を過ごさせていただけました!ほんとに癒されました。日頃の荒んでた心が成仏しました!(笑) 女性Mさんより

1時間ひたすら不慣れなチェキで写真を撮るのに集中できたことは、余計なことを考えない楽しい時間でした。 それこそストレスを忘れられました
女性Yさんより

同じ場所にいても、見ているもの、目に付くもの、感じ方の違いがはっきり写真に出ていて、おもしろかったです。自分を振り返る時間にもなりました。 写真って、やっぱりおもしろい! コトバを使って伝える大切さも改めて感じました。
女性Hさんより

成仏しました!とまで言われると大げさに聞こえてしまうかもしれませんが、どれもマインドフルネスによる効果・効能として謳われている感想ではないでしょうか。

マインドフルネスとの関わり

そもそもマインドフルネスとはという方へ。wikipediaで調べると、以下のように説明されています。

今現在において起こっている経験に注意を向ける心理的な過程であり、瞑想およびその他の訓練を通じて発達させることができる。

マインドフルネスの語義として、「今、この瞬間の体験に意図的に意識を向け、評価をせずに、とらわれのない状態で、ただ観ること」といった説明がなされることもある

さらに効果・効能へと説明は続きます。

マインドフルネスの実践は、うつ病の症状を和らげることや、ストレスや心配を減らすことや、薬物依存への手当に用いられてきた。また、精神病の患者に対する多くの治療効果も示し、心の健康に関する問題を停めるための予防的な方策にもなっている

私はご縁もあって座禅やマインドフルネス体験を続けており、それこそお寺でのワークショップも開催しました。

開催したお寺でのワークショップ

お寺ステイ

【東京夜ZEN活部】自分に気づく時間×4コマワークショップで創造力遊び(ナビゲーター:アクティベートファクトリー代表 三田剛広さん)

経験談として、続けることは呼吸を意識することに繋がり、自然と呼吸が深くなっているように思われます。逆にこれまで呼吸が浅い生活をしていたことにも気付きました。

また深い呼吸を意識することは、「今、この瞬間の体験に意図的に意識を向ける」ことで、わかりやすい変化として普段聞こえていない音の存在に気付くようになりました。逆にすごい騒音の中で生活していることに気付きました。

写真を真剣に撮るとは

では、写真を撮ることがどうしてマインドフルネスなのでしょうか。撮ルンですという撮影会の内容と合わせてご紹介したいと思います。

撮ルンですでは、InstaxSQ10というその場でプリントができるデジタルカメラ(ハイブリッドカメラ)を使用します。つまり撮った写真を1枚100円というお金を使ってプリントします。

プリント

だからこそ1枚1枚真剣に、そして、自然と思いを込めて撮るようになります。この「思いを込める」は、画角の調整から各種設定,撮るタイミングに集中していることと同義となります。

それはまさに「今、この瞬間の体験に意図的に意識を向け」ているのです。

また気づいていないかもしれませんが、集中して気持ちを落ち着かせて写真を撮るときというのは深呼吸をしてからシャッターを押しています。(一方で「動きもの」を撮るときは無呼吸になりちがです。)

つまり無意識に深い呼吸をし、いつかはその深い呼吸の存在にも気付くようになる。それが写真を真剣に撮るという行為の中には含まれていると私は考えています。(結果的に私は日々、マインドフルな状態にいるのかもしれません)

結局は、型にはまった考え方・方法に囚われないことが大切

写真を撮ることとマインドフルネスは違うという意見も当然あるでしょう。

ですが、マインドフルな状態になるという意味では、色んな方法があっても良いと思います。そもそもそのような柔軟な発想ができるようになるのがマインドフルネスの効能なはずです。

そして、マインドフルネスという言葉を意識することもなく、いつも楽しみながら目の前のことに集中できること、そんな時間があることが何よりも大切なのではないかと写真を撮っている自分を客観的に見て思います。