古い作品だけど新しい映画体験「アクティ場シネマ」をはじめました

こんにちは。アクティ場を主催している三田です。

GWの初日、新しい企画を開催しました。その名前が「アクティ場シネマ」。企画の内容は、「過去の名作映画」を鑑賞して「その感想」をシェアするといったものです。

午前十時の映画祭の存在

午前十時の映画祭 -デジタルで蘇る永遠の名作– はご存知でしょうか?

午前10時の映画祭

過去の名作を、1作品につき2週間または1週間その名のとおり午前十時から映画館で上映する企画です。大体、年間で約30作品の名作を上映しています。映画館でチラシやポスターを目にした人もいるのではないでしょうか。

実のところ4年前にこの企画を偶然知るまでの私と映画の関係は、それこそランキング上位の作品か好きなアニメの映画を観る程度でした。
それが、この企画で最初に観た「死刑台のエレベーター」に衝撃を受け、それ以来ずっとハマって観続けています。

実際にほぼもれなく観ているので三年連続で殿堂入りしています。

殿堂入り

ハマったきっかけには、その頃から取り組み始めた「写真」や「映像制作」に活かせると思ったことも大きいです。「死刑台のエレベーター」を観た時の衝撃もモノクロでも「伝わって」くる感覚やあまりに映像とマッチしたマイルス・デイヴィスの音楽など、得るものが多かったのが理由です。

さらにハマる中で「名作と呼ばれている作品は、なぜ名作なのか?」そんな問いを考えるようになりました。そのためには名作と呼ばれるものをジャンル問わず多く観るのが一番だと直感的に思い、今も観続けています。

観続けることで感じた余白の面白さ

過去の名作と呼ばれているだけあり、上映した時期は1950年代~で最新のものでも1990年代でしょうか。つまりアニメーションやCG技術がそこまで進歩していません。

だからこそカット割りから映像に写っている背景に対して、最近の映画に比べると余白が多いように感じます。つまり小説を読んでいるときに情景を想像するように考える余地、自分で解釈や映像を補完するような事が多いということです。

それゆえに午前十時の上映作品を知り合いと観に行った後に感想を言い合うと、解釈や興味を持つポイントが違うことが頻繁にありました。逆に最新の映画を見に行くと、「あり」か「なし」かみたいな話で終わることが多く、どっちが良い悪いではないのですが、前者の観た後も楽しめる映画体験のほうに私は惹かれていきました。

その理由は、受動的なんだけど無意識に創造的な活動をしているからだと思います。それも小説を読むほど時間をかからず、名作を楽しみながらできることも最高です。

そして、創造的な活動内容をシェアしあえる時間ができたらもっと楽しいだろうなと思い、アクティ場シネマという企画を形にしてみました。

古い作品だけど新しい映画体験

作成したチラシに記載した内容です。

「過去の名作映画」を鑑賞して「その感想」をシェアする会。
それがアクティ場シネマです。

シネコンで上映されているたくさんの映画。確かに面白いとは感じるけれど、鑑賞者に考える余白がない。

そんな丁寧に作り込まれた、わかりやすい作品が増えていると感じています。一方、アニメーションやCG技術が発達していない頃の「過去の映画」を観ることは、鑑賞者ごとに解釈の余地を与えてくれます。場面の切り替え、役者の演出などにたくさんの余白があり、物語を補完する楽しみがあるのです。そして、解釈・感想をシェアすることは、より深く作品を楽しむことにつながります。

映画館では味わえない、「古い作品だけど新しい映画体験」を一緒にしてみませんか?

短くてわかりやすいものが好まれる現在において、長くて余白が多いものはもはや新しい体験のように感じます。長いものは一般的には好まれないでしょうが、そこは名作映画の魅力がカバーしてくれると考えました。

初回のアクティ場シネマの作品には、「ギルバード・グレイプ」を選びました。すこし重いテーマかと思ったけどディカプリオ、ジョニー・デップのあまり知られていない一面を感じてもらい、いろんな意見が出るのではないか、そんな期待も含んでの選択でした。

ギルバードグレイブ

当日は、5名の方が参加してくれました。
「印象に残っているシーンとその理由は?」と聞いてみるとみんな違うシーンをあげていました。そこには映画監督としての意図を組んだ発言もあれば、その人ならでは捉え方だったりととてもユニークで、作品の理解も一人で観たときの3倍くらいできたのではないでしょうか。

会終了後にこんな感想も頂きました。

自分では選ぶことがないだろう映画を見て感想を共有して、自分の意見をまとめて伝える力が鍛えられる時間だと思いました。

普段映画を見てもこのような形で意見のシェアをする事はないので面白かったです。 色々な見方や感想を“見終わってすぐ”にシェアすることで、新鮮な気持ちで共有出来たのかもしれませんね。 個人的には、一度見た映画を改めて見直して考える事も出来て良かったです。 また参加したいと思えました!

人によって異なる視点で観察していることがわかり、 その人の生き方や性格などが垣間見れてとても面白かったです。

実際に開催してみていろんな可能性を感じる会でもありました。第二回目もはやめに日にちを決めて開催しようと思います。