本を持たない本屋で1冊を買ってもらう

ブクログ

参加者による購入本が700冊を越えた

5年間、読書しない読書会をほぼ毎月開催した結果、参加者が購入した書籍の数が700冊を超えていました。購入本はブクログというサービスにまとめてきたので、改めて見返してみると色んな本の購入理由を聞いたもんだなと思います。

ブクログ:読書しない読書会の本棚
https://booklog.jp/users/activate-factory

そもそも読書しない読書会は、一般的な読書会と違い、決められた本に対してコミュニケーションをおこなう会ではなく、参加者に普段行かないコーナーに行って頂き、興味のある本があれば(あるんですが、)できれば1冊買ってきてもらって、その理由をシェアするという会です。

大体、1時間という本屋の滞在で、参加者全員で20~30冊を購入する結果となっています。私は、主催者というだけですが、みなさんが本を買ってくる姿をみると、まるで「本を持たない本屋」を経営している気になります。4,5冊買う方もいて出版不況はどこへ行ったという爆買い振りです。

本を手に取るきっかけは、本を読むのと同じくらい価値がある

書店の価値の大きな一つは、偶然の出会い、そして、知らない世界を教えてくれる場にあるのではないでしょうか。なんの目的もなく本屋を訪れても、本の表紙やタイトルを見ると、未知の世界だらけて楽しく、ドキドキします。むしろ無目的だから楽しいのかもしれません。

対象的にGoogle先生は、求めていることの答えは教えてくれますが、(ルーチンな行為を除き)求めているかわからないことまで教えてくれることはできません。その点が、書店、とくに大型書店は潜在的に興味を持っていたことや思いもがけない「何か」を教えてくれます。

この価値はAIが進むほど増してくる大きなポイントだと思っています。

1冊は買って欲しいのお願い

先程、「何か」と書きましたが、それは違和感や直感のようなものも含まれます。

読書しない読書会では、気になった理由を話してもらうのですが、その「何か」の言語化が難しかったりします。なんとなくこの表紙が好きなんですよね。とか、この一節が気になったんですよねとかそんな感じもあります。

それでも違和感や直感ってすごく大切なことで、その人の本能的なものが現れたものだと思っています。時間が経って振り返るとあのときの直感は正しかった!なんてことが多いようなことです。

それもあって読書しない読書会は、その「何か」を提供してくれた本のうち、できれば1冊は買ってきてもらうことをお願いしています。

自分の意志でお金払って紙の本を買うこと。それだけでその一冊は特別なものになります。

(もちろんそんなきっかけを提供してくれた本屋と作家さんへの感謝も含んでいます。)

1冊は買って欲しいでつながった、「森の中の小さな本屋さん」の存在

最近、「本屋がアジアをつなぐ 自由を支える者たち」という本を読みました。

本屋がアジアをつなぐ 自由を支える者たち
引用:amazon.co.jp

その中で、「店内にお入りになったら、必ず1冊は本を買ってお帰りください」というボードが掲げてある「森の中の小さな本屋」が韓国にあることを知りました。

ボードに書いた真意は直接聞いたわけではないので定かではないけれど、「1冊買ってきてください」というメッセージと同じことをしていることに共感せずにはいられませんでした。

その理由は、「気づき」を与えてくれた本との出会いを大事にしてほしいということ。

もう一つは、活字の本を読むことは、他のメディアに比べて思考力や想像力を鍛えることに優れているので、「読む」行為はますます大事なことだと考えているからです。

私は、「本を持たない本屋」ではあるけれど、1冊は買ってもらうということを通して参加者にも作家にも本屋にも何か良いきっかけが提供できているなら嬉しいことです。