知らないことを知ることは面白い!

読書しない読書会 第23回
今回の「読書しない読書会」は、ブックファースト新宿店で開催しました。
先月の開催から40日ほど経っていたからか、すごく久しぶりに感じ、楽しみに会場へ向かいました。

カフェに到着し、毎回参加してくださっている方とお話をしているとその方も「久しぶりな感じがしますね」とおっしゃっていて、お互いにイベントを楽しみにしていたということが分かり、とても嬉しくなりました。

本を通じて自分の知らない世界を知る

今回は、自分の知らない世界を知ることのできた、学びの多い時間となりました。

例えば、この本。

日本人のくらし「基本のき」


 

この本を選ばれた方は、その理由を「例えば、最近では七夕などがあったが、自分が日本の行事を忘れて日々を過ごし、季節感が薄れていっているかもと気付かされたから」とおっしゃっていました。

そこから話は、お盆やぼたもちの話に発展していきました。

普段は季節感を忘れていても、例えばスーパーでぼたもちを見れば、季節感を思い出すことができるかもしれない。でも、そもそもいつ、ぼたもちを食すのかを知らなければ、スーパーでぼたもちを見かけても意識することはないだろう、などなど。

みなさん、ご自身の体験や思いをお話されるので、それ聞く度に私は、参加者の人生を垣間見たような感覚になるのです。

そして参加者のみなさんは、とにかくよくしゃべります(笑)

初対面であっても、1冊の本がきっかけとなって会話が展開され、相手の話をみなさんが熱心に聞くことで、安心感のある雰囲気が生まれていくように思います。

今回は、定員10名のところ4名の方にご参加いただき、少人数ではあったものの、その分1人1人の話す時間が多く取れ、深い話ができたように感じました。

新しい本と人に出会う面白さ

今回、参加者の方がおっしゃっていた「知人から、ただ本を紹介される時には『面白いから読んでみなよ』と言われるだけで、勧められているんだけど読みたくなくなってしまう自分がいる。しかし、このイベントで他の人が本を選んだ「理由」を聞くと、自分もその本を読みたくなるから不思議だし、面白いと思ってまた参加しました。」という言葉が、とても印象に残りました。

と同時に、本を選んだ理由を聞くと読みたくなるという点は、「読書しない読書会」の面白い点だと改めて認識しました。

このイベントの面白い点は、「新しい本との出会い」ということのほかに「新しい人との出会い」にもあります。

普段の生活では、無意識に自分が居心地のいい人とだけコミュニケーションするなど、人間関係も固まってしまいがちで、ともすれば同じような日常を送ることになってしまいます。

しかし、「読書しない読書会」では、普段は知り合うことのできない人と出会うチャンスがあります。

初対面の人の人生を垣間見るような体験をすることで「相手の人となりを知る」、本を通じて「知らない世界を知る」、その過程を通して「己を知る」という「知ることの面白さ」が「読書しない読書会」の醍醐味と言えるでしょう。

私が選んだ書籍(の理由)を今回もご紹介

それでは、いつものように私が選んだ書籍をご紹介します。

今回、私が向かったのは、アート・人文コーナーでした。

まず、「クリエイティヴィティ―フロー体験と創造性の心理学」という本を手に取りました。

クリエイティヴィティ―フロー体験と創造性の心理学

以前、私はビジネス書を読みあさっていた時期があるのですが、その時に本書の著者、M.チクセントミハイの本も読んだことがありました。

その本も「フロー体験」に関する本でした。そもそもビジネス書の分野がふさわしいのかわかりませんが、書かれている内容から学ぶことが多く、ビジネス書はほぼ捨てた中で唯一手元に残している本でもあります。当時からこの「クリエイティヴィティ―フロー体験と創造性の心理学」も読んでみたかったのですが、Amazonですら販売されていなかったため、読むのを諦めていた本でした。

そんな本を今回、発見することができたのです

少し立ち読みしたところ、「創造性のある生活を送ることが人生を豊かにすることだ」というフレーズにとても共感しました。また、このタイミングでこの本と再会できたということは読むタイミングなのかもしれないと思い、今回、購入することにしました。

他にも2冊、購入しました。

ゲンロン0 観光客の哲学


 

「観光客の哲学」は、2年前の読書しない読書会で購入した「弱い繋がり」という本が今でも記憶に残るほど印象的で、同じ著者いうことで気になりました。また取り組んでいる幾つかの仕事の参考になるかもと手に取ってざっと目を通したところ『この本から、観光についてのビジネスや観光研究に役立つ話を期待している読者は、ここで本を閉じるほうが良いかもしれない』と、いきなり手に取った理由を否定されて、逆に好感を持ってしまいました。
 
それなら逆に何も期待せずに読もうと思い購入しました。

神秘の絶景写真:アメージング・アメリカ

「神秘の絶景写真:アメージング・アメリカ」は、構成がシンプルで、撮影場所と写真についての説明のみの本です。最近、趣味のドローンで撮影した映像をまとめていて、その構成の参考になると思い、購入することにしました。

第23回参加者からのご感想

毎回素敵な企画をありがとうございます。 参加者さんそれぞれの選んだ理由を聞くことがとても良い刺激になります。 年齢も職業も異なるであろう他の参加者さんの視点は、自分には無いものであったり、とても斬新だったりして毎回感動しています。 と同時に自分だ選んだ本に関しても、選んだ理由はその時々異なるのですが、何気なく選んだ本が実は自分が求めていることの本質であったことに気がつくなど、、頭が整理出来て、自分を知る良い機会にもなりました。 新宿店舗、池袋1店舗の店舗を順番に回っていますが、本屋さんそれぞれの特色を楽しめるのも楽しみにしているところです。 次回も楽しみにしています。 ありがとうございます

「読書しない読書会」に参加して、 私は過去の自分の気持ちを思い出しました。それは、私は日本人なのに日本の行事の意味などを全くわかっていないという後ろめたい気持ちです。 今までになかった本との出会いを経験し、私と本との関わりがより深いものになったと感じました。

ブックファースト新宿は久しぶりだったのと新たな本との出会いとともに気づきがあって楽しい一日でした。普段買って読む本と違うジャンルをあえて選ぶということが自分の中に眠ってた「好奇心」を呼び起こし、いろいろやってみたい気持ちとともに帰路につきました。あまり本を読まない方も気軽に参加して楽しめると思います。ありがとうございました。

次回の読書しない読書会は、8月20日(日)に紀伊國屋書店 新宿本店で開催致します。